地方出身者がマジメに語る「地方創生」って、本当はこうかも?東京一極集中は是正できるのか。
こんにちは!
NEYXZ.グループ公式 note編集部クリエイティブ課 RYUTAROです。
少しだけ自己紹介します。
生まれは九州の宮崎県出身。
上京して35年。
ふるさと納税はやっています。
担当している仕事で地方創生や官民連携のお話があれこれ毎日のようにでてきます。
そこで、日ごろ思うことをまとめてみることにしました。
はじめに
大学卒業後の就職先を考えたとき、やっぱり東京に行かないと好きな仕事はできないと思い立ち上京しました。
好きな仕事というのは、広告の仕事です。
宮崎から見た東京はそれはそれは華やかで楽しそうでした。
特にあこがれたのは、TVコマーシャルや雑誌広告の世界。
サントリーの洒落たコピー、パルコやSONYの広告を手掛けたい!と一念発起。
大手広告代理店からの依頼を請け負うグラフィックデザイナーを経て、今はNEXYZ.Groupのインハウスデザインチームでいろんな案件に関わっています。
インターネット、SNSの登場で、東京1極集中の時代からおおきく流れが変わってきたと強く感じています。
これからは地方から新しい取り組み、新しい事業、地方独自のアイデアをもった企業がどんどん生まれてくるんじゃないかと本当に期待しています。
そもそも地方創生とはなんなんだろう
「地方創生」という言葉は、10年前、2014年に第二次安倍内閣のときに出されました。
地域の経済を活性化し、人口減少に歯止めをかけるための政策です。
具体的には、地域が持つ特性を活かしながら、住みよい環境を整え、魅力的な就業機会を創出することを目指しています。
「地方創生」は「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、以下の3つの柱から成り立っています:
まち: 住民が安心して暮らせる生活環境の整備
ひと: 地域社会を支える多様な人材の育成
しごと: 地域における魅力的な就業機会の創出
少子高齢化による人口減少については、2010年ごろをピークに人口減に転じており、地方の人手は減っていき東京圏への流出はなかなか止まりません。
さらに、近年では台風や地震などの自然災害への対策など、官(行政・自治体)への負担は増え続けています。(画像はwikipedia:「地方創生」より引用)
あらためてこう思います。
”地方創生”とは、これからの時代「官と民とが協力して、どのような形で地域社会にとって良いかの最適化を考えること。」ではないでしょうか。
もっと民についてを深掘るなら、その地の利を生かした事業で大きく成長し、地元の基盤となる税収や雇用にも寄与する企業が、全国で立ち上がっている状態であれば、東京1極集中が緩和され、人の定着とお金の循環がそれぞれの地方で改善していくことではないでしょうか。
少しだけ弊社の戦略について
ここで少しだけ弊社、NEXYZ.Groupの事業についてもご紹介したいと思います。大きく2つのアプローチで、地方創生に貢献してく事業を全国で提供しています。
ひとつは「金融」です。地方銀行・信金と提携して、中小企業や自治体様のさまざまな設備投資に対応する「ネクシーズZERO」というサービスを提供しています。
「PR」に関しては、電子雑誌メディアの「旅色FOCAL」、タレントシェアリング「アクセルジャパン」のサービスを提供しています。
また、「MUSIC CIRCUS」という、音楽フェス、食、花火、スポーツも取り入れた総合エンタテインメントフェスティバルにも注力しています。
地方のにぎわいや経済を盛り上げるための、角度の違う複数のサービスを提供しています。
中小企業と大企業の役割
日本全体の企業約400万社のうち、中小企業は99.7%を占めています。
会社の大小にかかわらず「地域に根差した経済」を支える重要な存在であり、地元の雇用を創出しています。
一方、残りの0.3%が大企業であり、トヨタ、ソニー、三菱などのいわゆる上場企業が含まれます。これらの大企業は、日本の経済を支える屋台骨としての役割を果たし、国内外で大きな売上と利益を上げています。
雇用の構造
中小企業は日本の全労働者約6,900万人のうち、約70%を雇用しています。
平均賃金は大企業に比べて低い傾向にあります。
大企業が残りの約30%を雇用していますが、大企業が生み出す生産性と利益は非常に高く、賃金も高いです。
外貨獲得と法人税
0.3%の大企業は、日本全体の外貨獲得に大きく貢献しており、輸出を通じて多くの収益をもたらしています。
法人税収の多くは、大企業からのものであり、国家の財政を支える重要な役割を果たしています。
経済産業省のデータによると、日本の大企業が、日本全体の売上高の約50%以上を占めています。特に製造業や自動車産業は、日本経済の中核となる産業です。
一方、中小企業は、地域経済の基盤として重要な役割を果たし、多様なサービス業や小売業を中心に展開しています。
日本全体の経済発展を考えると要するに大企業は「もっと力をつけて外貨獲得」を頑張らなければなりません。
日本は島国であり、輸出でもうけるには地政学的にも相当な企業体力が必要です。もちろん物理的なハードルを越えるデジタルサービスならいけるのですが、どうやら日本の大企業はそこは得意ではなさそうですよね。
そして大企業は、圧倒的に東京、大阪の都市部に集中しており、法人税も極端に一極集中しています。東京都の税収はほんとに大きく諸外国の国レベルの経済力があります。
これは、東京圏と地方のお金の循環を図式化したものです。
※株式会社ことろど 田鹿 倫基氏のFacebook投稿から一部引用
地方や都心郊外に、よくある大手企業のチェーン店や営業所は、地方にもどんどん出店しています。
お金は東京圏にある本社が吸い上げ、国へ法人税として納め、国からは地方交付税として、地方に戻ってくるお金のサイクルが戦後の高度成長から出来上がっていきました。
ユニクロで服を買っても、地方創生への効果は12%しかないという事実
例)ユニクロ(直営)の1日のお金の動き
ファストファッション業界のユニクロを例にしてみます。
1日の売上150万円、仕入れ90万円(在庫破棄も含む)なので1日の売上総利益(粗利)は60万円。
人件費10万円、家賃・減価償却は8万円、その他(光熱費等)は3万円。とした場合。
ユニクロはフランチャイズを縮小していく方針のようなので、現在はほとんどが直営。フランチャイズフィーは発生しない場合とします。
そうすると営業利益39万円とかなり高収益となります。
フランチャイズであればフィーを払った残りが地元に残るのですが、直営の場合、利益はすべて本社に持っていかれます。
よってユニクロは1日150万円が消費されても人件費10万円と家賃・減価償却の8万円の18万円しか地元に残りません。
お金の地域循環率は12%とコンビニ並みに地域経済は流出していきます。
スタバにしても、長い行列はできたけどそれでぬか喜びはできないのです。
若い人にとっては素敵なバイト先ができた!と喜べる点もありますが、地元喫茶店のような地域循環率の高い、中小企業・個人事業主にも手を差し伸べる方法を考えないと、どんどん衰退し消えていくばかりです。
故郷の宮崎県日南市でも、10年ぶりに復活した喫茶店が若者にも人気です。
日南市にスタバはないのですが、コーヒー1杯でも地域への貢献度がどちらが高いかを知っておくと判断材料になりますよね。
地域子会社化という戦略
先に紹介した、弊社「金融」事業の全国11支店を、2024年10月にすべて地域子会社としました。
全国36拠点に子会社・営業所があるのは、小回りが利いて、移動ロス(時間とコスト)を最小にしたい理由もありますが、地元のことは地元でないとわからない、たくさんの事情があるからでした。
今回の地域子会社化で、各所在地で会社登記をすることで、その地域の会社になり、信用度もあがります。
それぞれの自治体へ法人税を納め、お客様と食事をしたり、居酒屋で打ち上げもあれば、カラオケにもいくでしょう。
地元の学生の積極雇用も開始しています。結婚し家族が増えれば、スーパーでの買い物も増え、社員の子供が保育園、小学校へ通い、地元への貢献もどんどん増していきます。
地元の一員であることが、長く付き合うサービスには必要です。
地方に本拠地を置く大企業
みなさんがよく耳にする大企業は、全部 都会にあるわけではありません。
日本は島国で縦に長く、それぞれその地元でなければメリットを活かせない事業を行っている企業もたくさんあります。
家具やインテリア用品で知られるニトリは、北海道。
家電量販店のヤマダ電機は、群馬県高崎市です。
トヨタは名古屋、スーパーマリオの任天堂は京都、ユニクロの親会社ファーストリテイリングは山口県なんですよ!
まだまだたくさんの大企業が地方に拠点を置きながらも全国的、国際的に事業を展開しています。ローカルでありながら、グローバル活動なので、グローカル企業とも言いますね!
以下、北から南までマッピング一覧です。
(参考:JOB!タイムズ【どこが本社か知ってた?】全国の有名・大手企業の本社所在地と地元で求められている仕事)
体力のある企業は、もっと世界へ飛び出して外貨獲得を頑張ってほしいし、巨大な東京・大阪にひしめき合うように企業が過剰集中して栄えてきたのはこれまでのこと。
これからは地方こそ元気であることが、本当の日本の元気。
小さい利益でも、数多く積み重ねて地域を元気にしていくために頑張る仲間を増やしたい、小さなことでも積み重ねが、中小企業の課題を解決するということだと思っています。
かならず東京一極集中は変わっていくと思います。
地方から世界を視野に。そんなユニコーン企業も地方から生まれてきてほしいです。
いつか誰も地方創生と叫ばなくなる日が来ることを切に願います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回もご期待ください。
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